
表紙
ピンクのゾウに出会った日
絵の説明: 『ピンクのゾウに出会った日』の表紙。ピンクのゾウの背にもたれる赤いコートの子ども

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丘の上の村に、静かな子どもが住んでいました。心の中には話したいことがたくさんあったのに、言葉が口もとまで来ると、いつも恥ずかしくなってしまうのでした。
絵の説明: 窓辺で言葉をのみこむ、赤いコートの子ども

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ある日、野原で子どもは見たことのない穴を見つけました。穴の奥から、かすかに音楽が聞こえてきます。『……だれが住んでいるのかな?』
絵の説明: 野原の穴をのぞきこむ子ども

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つま先立ちでのぞきこんだ、そのとき。あっ! ころん、ふわり、ぷかぷか。子どもは星と絵の具のしずくのあいだを、ゆっくりゆっくり落ちていきました。
絵の説明: 星と絵の具のしずくのあいだを落ちる子ども

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ぽすん! 子どもが落ちたのは、大きくてふかふかしたものの上。ピンクのゾウでした。『大丈夫。ぼくも最初は、そんなふうに落ちてきたんだよ。』
絵の説明: ピンクのゾウの背中にぽすんと抱かれる子ども

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『ここは物語の国。心の中の物語たちが集まって暮らす場所さ。だれの心にも、ぼくみたいなピンクのゾウが一頭ずつ育っているんだ。』
絵の説明: パステルの野原を子どもと歩くピンクのゾウ

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『ぼくには……見せられる物語なんてないよ。』子どもが言うと、ピンクのゾウはにっこり。『あるよ。まだ声に出して話したことがないだけ。さあ、友だちを紹介するね!』
絵の説明: 鼻で子どもの手を握って導くピンクのゾウ

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最初に会ったのはハムドリでした。『ダダダ! いっしょに走る?』子どもは息が切れるまで走りました。ふしぎです。走っているうちに、笑い声が先に飛び出しました。
絵の説明: ハムドリと野原を走り、笑う子ども

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小川のほとりでは、ベビー・エレファントの家族が水遊び中。ぷう〜! ひんやりした水が虹のように降りそそぎ、子どもはびしょぬれになっても、何度も笑いました。
絵の説明: ベビー・エレファントの水しぶきを浴びて遊ぶ子ども

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エレファントは、病気の友だちを笑顔にする虹色のしゃぼん玉を吹いていました。『悲しい日には、玉がひとつあればいい。ぽん!』子どもも、ふう〜っと吹いてみました。玉の中の世界は、虹色にきらきらしていました。
絵の説明: エレファントと虹色のしゃぼん玉を吹く子ども

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ワンヌニは虫めがねを持っていました。『小さなものも大きく見れば、びっくりするような物語になるよ。ほら、アリの足あとも、きみの心も。』子どもは初めて、自分の心をそっとのぞいてみました。
絵の説明: ワンヌニの虫めがねでいっしょにのぞく子ども

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柵の前でカンチョンが言いました。『こわいなら、こわいまま跳ぶんだよ。カンチョン!』子どもも目をぎゅっと閉じて、ぴょん! 柵の向こうは、思ったほどこわくありませんでした。
絵の説明: カンチョンと柵を跳び越える子ども

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スケッチブック・ガールは子どもにノートを一冊差し出しました。『ちがう考えは、新しい考え。きみの物語を描いてみる?』えんぴつがさらさら動くと、まっ白だった紙に子どもの物語が生まれ始めました。
絵の説明: スケッチブック・ガールと並んで座り、絵を描く子ども

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たき火を囲んだ夜、子どもは初めて自分の物語を声に出して話しました。するとピンクのゾウは、少し大きくなりました。物語を聞かせるたびに大きくなるゾウなのです。
絵の説明: たき火のそばで物語を話す子どもと、大きくなったピンクのゾウ

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帰り道、ピンクのゾウが言いました。『もうわかった? きみのゾウは、きみが見せてあげればいい。そしてここは、きみが物語を話したくなったとき、いつでもまた開く国なんだ。』
絵の説明: 光る階段を上り、ピンクのゾウに別れを告げる子ども

作家のことば
この物語は、この国へ遊びに来たすべての子どもの物語です。だれの心にもピンクのゾウが一頭いるのですから。五人の作家は八週間、それぞれのゾウを絵と物語にして見せてくれました。さあ、次はあなたの番です。
絵の説明: 野原で手を振るピンクのゾウと七人の友だち