
表紙
ハムドリと森の友だち
絵の説明: 『ハムドリと森の友だち』の表紙。森を走るハムドリと仲間たち

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森の村に、とっても足の速いハムスターが住んでいました。名前はハムドリ。ダダダと走ると、風まで『あれ、ぼくより速い?』とびっくりしました。
絵の説明: 森の小道を元気に走るハムドリ

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ハムドリの大好物は、香ばしいクルミとアーモンド。ほおぶくろにいっぱい入れると、ほっぺは風船みたいにぱんぱんになります。
絵の説明: クルミを思いうかべ、ほおをふくらませたハムドリ

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ところがある日、森のクルミがぜんぶ消えてしまいました! 木の下にも岩のうしろにも、いつもの場所には一つもありません。
絵の説明: クルミのあった場所を見て心配するハムドリ

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ハムドリは森じゅうをダダダと走って探しました。でも日が傾いても、クルミもアーモンドも見つかりません。鼻の奥がつんとして、目には涙。『かなしいな……。』
絵の説明: 夕暮れの森で、切り株に座って涙をためるハムドリ

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『もっと速く走れば、見つかるはず!』ハムドリはもっと速く、もっと遠くへ。でも、ころころどすん! いばらの茂みに落ちてしまいました。速い足も、一人では役に立たなかったのです。
絵の説明: いばらの茂みに転がり落ち、きょとんとするハムドリ。落ち葉があたりに散っている

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そのときハムドリは気づきました。『ぼく、速く走れるじゃないか! 一人でなくて、友だちのところへ行こう!』
絵の説明: きらきらした目で決心し、立ち上がるハムドリ

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ダダダ、ハムドリ! リスの家へ。『リスさん、クルミがぜんぶなくなったんだ。いっしょに探してくれる?』『もちろん! ぼくが木の上を見てくるよ!』
絵の説明: 木の家の前でリスと話すハムドリ

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ダダダ、ハムドリ! ウサギの草原へ。『ウサギさん、手伝ってくれる?』『いいよ! このよく聞こえる耳で、転がる音を聞くよ!』
絵の説明: 耳をぴんと立てた灰色のウサギとハムドリ

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ダダダ、ハムドリ! ハリネズミと子ジカのところへも。『ぼくたちも行くよ!』友だちが一人、また一人と集まって、五人になりました。
絵の説明: 五人の友だちが手を重ねるところ

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リスが木のてっぺんから叫びました。『見つけた! 小川の向こうの丘に、クルミが山ほどある!』ゆうべの風が、クルミをぜんぶ転がしていったのです。
絵の説明: 木のてっぺんから遠い丘のクルミの山を指さすリス

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友だちは丸太橋で小川を渡ることにしました。ところが、ばきん! 古い丸太が折れて、クルミがいくつか、ぽちゃんと流されました。『だめ〜!』
絵の説明: 折れた丸太橋と小川に流されるクルミ、驚く五人の友だち

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でも、あきらめません。子ジカがすっと足をのばし、橋になってくれました。ハリネズミはにっこり。『背中にのせて。ころころ転がるよ!』
絵の説明: 子ジカが小川に橋をかけ、ハリネズミがクルミをのせて転がるところ

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丘に着くと、かあっ! 大きなカラスがクルミの山の上に座っていました。『これはぼくが先に見つけたんだ!』カラスは羽を大きく広げ、行く手をふさぎました。
絵の説明: クルミの山の上で羽を広げて立ちはだかるカラスと、見上げる五人の友だち

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ハムドリは少し考えてから、にっこり言いました。『じゃあ、いっしょに分けて食べよう! 分けたら、もっとおいしいよ。』カラスはぱちぱちとまばたきしました。そんな言葉は初めてだったのです。
絵の説明: にっこり笑い、カラスへクルミを差し出すハムドリ

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そこで、みんなでいっしょに! ハムドリはダダダと行ったり来たりして、いちばん速い足でクルミを運びました。カラスは空へ、リスは木へ。ほおぶくろも手押し車も、クルミでいっぱいです!
絵の説明: カラスと仲間たちがいっしょにクルミを運ぶところ

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夕暮れ、森の村に香ばしいにおいが広がりました。たき火のそばで、カラスもいっしょに、みんなでクルミとアーモンドを分けて食べました。『一人で走れば速いけど、いっしょに走ればおいしいね!』
絵の説明: たき火のそばで、カラスもいっしょにクルミを分けて食べる友だち

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その日からハムドリの走りは、おつかいの走りになりました。病気の友だちには薬を、退屈な友だちには笑顔を。ダダダ、ハムドリ! 今日も森がきらきらしています。
絵の説明: 朝の森で、かごを届けるハムドリ

作家のことば
『ハムドリみたいに、わたしも速く走るのが好きです。友だちと分けて食べるときが、いちばん幸せです。』— パク・ダウォン
絵の説明: あいさつするハムドリの肖像
