
表紙
ゾウの家族のわくわく旅行
絵の説明: 『ゾウの家族のわくわく旅行』の表紙

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町に住む子ゾウは体が大きく、鼻で水をぐんと吸って、ぷうっと吹けます。大好きなのは、やわらかい草。今日はとっても特別な日です。
絵の説明: ソ・ジョンビン作家の原画。カンナム大通りの横断歩道を歩く子ゾウ

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『さあ、家族で旅行に行こう!』とお父さん。お母さんはキンパを作り、子ゾウはかばんを背負いました。列車はしゅっしゅっぽっぽ、窓の外の景色が走っていきます。
絵の説明: 列車の窓辺に座るゾウの家族

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野原に着くと、世界じゅうが緑でした。子ゾウは草をむしゃむしゃ、ころころ転がって言いました。『旅行って最高!』
絵の説明: 緑の野原をころころ転がる子ゾウ

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ところが昼になると、お日さまがかんかん照りで、とっても暑くなりました。お父さんの額には汗がきらり。お母さんのうちわもくたくたです。『暑い、暑い……。』みんなしおれてしまいました。
絵の説明: 強い日ざしの下でぐったりするゾウの家族

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家族は木かげへ行きました。でも日かげもむんむん。うちわをどれだけあおいでも、熱い風ばかりでした。
絵の説明: せまい木かげに寄り集まり、まだ暑くてうちわをあおぐゾウの家族

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『アイスクリーム屋さんへ行こう!』でもお店は、丘を十も越えた向こうです。子ゾウの足はぶるぶる。『遠すぎるよ……。』みんなため息をつきました。
絵の説明: はるか向こうの小さな店を見てため息をつく家族

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子ゾウはじっくり考えました。『ぼくが得意なことって何だろう? 大きな体、それから……水を吹く鼻!』
絵の説明: じっくり考えて、ひらめく子ゾウ

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ちょうどそこに、きらきら光る小川! 子ゾウはダダダと小川へ走り、鼻をぐうっと水に入れました。ごくごく、鼻いっぱいに水を吸いこみます。
絵の説明: 小川に鼻を入れ、水を吸いこむ子ゾウ

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『ぷう〜!』あれれ、鼻から出たのは泥水です。浅いところの泥まで吸ってしまったのです。家族の顔に泥のしずくがぽつぽつ。『ぷはは!』それでも笑いがこぼれました。
絵の説明: 泥水を吹き、家族みんなが泥のしずくを浴びて笑うところ

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『大丈夫、もう一度!』子ゾウは深くて澄んだ水たまりを見つけ、もっと深く、もっとていねいに鼻を入れました。今度はきれいな水がいっぱいです!
絵の説明: 澄んだ深い水たまりに鼻を入れる子ゾウと、応援する家族

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そして空に向かって、ぷう〜! 水は噴水みたいに高く高く上がりました。水のしずくはきらきら、ひんやりした雨になって降ってきました。
絵の説明: 空高く水を吹き上げる子ゾウ

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『わあ、すずしい!』お母さんもお父さんもにっこり。水のしずくのあいだに虹がかかりました。家族みんな、ばしゃばしゃ。暑さはすっかり逃げていきました。
絵の説明: 水しぶきの下で遊ぶ家族と小さな虹

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通りかかったスズメも、暑さにばてた子犬も集まってきました。『ぼくもすずしくして!』ぷう〜、ぷう〜。子ゾウの噴水は、みんなの噴水になりました。
絵の説明: スズメと子犬も水しぶきの下に集まるところ

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すずしくなった家族は、また楽しく旅を続けました。丘に登り、海を見て、夕焼けの下でお弁当を食べました。
絵の説明: 夕焼けの丘の上にいるゾウの家族

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帰りの列車で、子ゾウは窓にもたれてすやすや眠りました。夢の中でも、ぷう〜。虹の噴水を吹いていました。
絵の説明: 夜の列車で眠る子ゾウ

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家に着くと、ふんわり懐かしい家のにおいがしました。『旅行もいいけど、やっぱりおうちもいいね。』家族は鼻をからめて、ぎゅっと抱き合いました。
絵の説明: 家の前で鼻をからめ、抱き合うゾウの家族

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その夜、子ゾウは日記を書きました。『今日、ぼくは家族をすずしくしてあげた。ぼくの鼻は、家族の噴水だ。とってもうれしかった。』
絵の説明: 机で日記を書く子ゾウ

作家のことば
『家族と旅行に行くのがいちばん好きです。暑いときは、ぼくがすずしくしてあげたいです。』— ソ・ジョンビン
絵の説明: 小さな旅行かばんを持つ子ゾウの肖像

